トワイライトゾーンで英語を学ぼう!第21回 : One for the Angels

エピソードデータ

タイトル:One for the Angels
日本語版放映時タイトル: 死神につかれた男
エピソード番号:#2 (第1シーズン)
放送日: October 9, 1959
脚本 : Rod Serling
私のお気に入り度:ベスト21

あらすじ

主人公のブックマンさんは、いわゆる「大道商人」。

高齢に負けることなく、今日も元気に街角に出て、ネクタイやハンカチを道行く人々に名調子で売り込み続けています。

そんなブックマンさんの前に、ある日、妙な雰囲気の若い男が現れます。彼は死神。ブックマンさんの寿命が今宵に尽きる為、迎えにやってきたのだ、とのことでした。ショックを受けるブックマンさん。

「自分は、確かに、しがない露天商だが、この世にやり残したことがある。唯一の得意芸であるセールストークの腕前を、長年かけて、磨いてきたのだ。この人生で最高の啖呵売りを一度、やってから死にたい。天国にまで聞こえるような一世一代の(One for the Angels)セールストークを、最後に一度!

そんなブックマンさんの住むアパートの前で、ふいに、交通事故が起こります。犠牲者は幼い女の子。「今夜がヤマ」と告げる医師、慟哭する家族。その後ろには、ブックマンさんにしか見えない、死神の姿が。どうやら、死神の今日の仕事は、ブックマンさんと、その幼い女の子、二人分のお迎えであるらしい。

そのとき、ブックマンさんの頭に、素晴らしいアイデアがひらめきます。
いそいそと商品を道端に並べ、調子のよい口上で、啖呵を切り始めるブックマンさん。
今日の販売ターゲットは、、、死神!
名調子で死神をひきつけ、女の子の魂を連れていく期限の時刻(今晩中)を、うっかり忘れさせる作戦です。

一人の幼い魂を救うための、一世一代のセールストークが、こうして始まりました!

評価

主人公の仕事は、日本でいう「啖呵売り」です。『男はつらいよ』の寅さんですね。調子のいい口上で相手をノセて、しょうもないネクタイやハンカチを購入させるお仕事。
ハッキリ言って、立派な仕事といえるものではありません。

ですが、その話芸が、ひとつの幼い生命を救う、という物語。人情味にあふれた、トワイライトゾーン初期の快作のひとつ。なんだか日本の落語に出てきそうな、ほのぼのとしたユーモアが心地よいエピソードです。

それにしても、、、本作に出てくる死神は、見かけはブキミでいて、なかなか話がわかる奴というか、いい奴というか、突っ込みどころ満載の天然というべきか。この死神さん、ネクタイやらハンカチやらをずいぶん衝動買いしてしまったようなのですが、買ったものを死の世界に持ち帰って、どう使うつもりだったんでしょうw

作中の気になる英語表現

本作を日本語で紹介するにあたり、工夫が必要なのは、主人公の職業と、「死神」の呼称でしょう。物語はほとんどこの2名の掛け合いで進んでいくわけですし。

まず、主人公の職業は、pitchmanです。日本語訳としては、大道商人、露天商、実演販売士。最近では、道端に限らず、TVコマーシャルや通販番組で調子よく売り込みトークをかけているプロのデモンストレーターも、pitchmanです。範囲としては、フーテンの寅さんから、ジャパネットの社長までを含んでしまうわけですね。

私は東急ハンズが好きなのですが、ハンズにも、よく実演で商品の店頭売り込みをかけている人がいますね。商品を購入しないにしても、うっかり、足を止めて口上を聞いてしまう。やはりプロ、たいしたものだな、と思います。ちなみに、ああいった、名調子(=pithc)で載せてくるセールストークは、sales pitchといいます。

もう一人の主人公、死神さんの職業(!)は、そのままdeathでOKです。日本語みたいに「神」などをつけなくてよし。そのまま、death。本作中では「ミスター・デス」などとも呼ばれていますが。当然ながらキリスト教圏では「神」は一人しかいないので、ではdeathは神ではなくて何なのだろう、となりますが、解釈はいろいろありますがdemonとして扱われている、というのが私の解釈。

デーモン、というのは、デビルとはちょっと違って、「半神」みたいな概念です。妖精とか、ギリシャ・ローマ神話に出てくるキューピットやらパンやらが、ここに近い。「人間以上だが神以下」な階層の存在ですが、もっとあからさまに言ってしまうと、キリスト教が入ってきたことで追いやられた民間信仰や神話の多神教上の神様たちが、ごそっとこの概念に押し込められた、というところです。日本神道の神様が歴史的経緯しだいでは妖怪に磊落することがあるのと、似ているといえば、似ている現象でしょうか。

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