トワイライトゾーンで英語を学ぼう!第22回 : The Howling Man

エピソードデータ

タイトル:The Howling Man
日本放映時タイトル:嵐の夜
エピソード番号:#41 (第2シーズン)
放送日:November 4, 1960
脚本:Charles Beaumont
私のお気に入り度:ベスト22

あらすじ

ある嵐の夜、一人の若いアメリカ人(おそらく大学教員)が、南ヨーロッパのどこか(個人的にはスペインかイタリアを想定しているものと推測)を旅行中に、道に迷ってしまいます。雨に打たれ疲弊しきっている中、たどりついたのは、古い修道院。戸を叩き、一晩の宿を懇願したところ、出てきたのは、なんとも怪しげな服装をした一団。さらに不気味なことには、修道院の奥からは、この世のものとも思えぬおぞましいナニモノかの咆哮が、しつこく、しつこく、響き渡ってきます。

宗教団体の長老と面会したところ、アメリカ人男性は、このように注意されます。

本来はこの修道院は外部の人間を泊めることは許されていないが、事情が事情だけに一晩だけ、泊めてもよい。ただし、この修道院の奥には、聖書に登場する「悪魔」が封印されている。ひっきりなしに聞こえるあの咆哮が、それだ。泊っている間に悪魔が何を言ってきても、耳を貸してはいけない。そして、この修道院を出た後も、ここで見たことは誰にも話してはいけない。。。

しかしその深夜、不気味な咆哮にどうしても好奇心を刺激された男性は、修道院の奥をこっそりと覗きに出かけます。ところがそこにいたのは、悪魔などではなく、ボロをまとって憔悴しきった、英語も流暢な一人の男性。話を聞くと、この不気味な宗教団体に突然拉致され、悪魔扱いをされて修道院に閉じ込められている、というのです。

そういえば、いつのまにか、先ほどの不気味な咆哮も収まっています。

はたして、この修道院はいったい、、、?

評価

ヨーロッパの田舎が舞台であったり、石造りの不気味な修道院の中だけでほぼ起承転結が完結していたりと、トワイライトゾーンのシリーズの中では珍しいくらいに、正統的ファンタジー色の強い作品。オチからすると、「ダークファンタジー」といったほうがいいテイストかもしれません。ゴシック調というのか、中世趣味というのか、ともかく、私はこういう雰囲気のドラマは大好きですね。

何よりも、本編、物語の冒頭で「第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期に起こった話である」と強調されているのが、オチに響いてくる重要な伏線! トワイライトゾーンには第二次世界大戦の災禍に対する反省や悔恨のテーマがよく登場しますが、この作品もその亜流といえるかもしれませんね

作中の気になる英語表現

謎の宗教団体の長老が、主人公のアメリカ人男性に、「この修道院には悪魔が封印されているのだ」と説明する時の表現に注目してみましょう。彼はこのように説明します。

What you saw in the cell is satan.
Otherwise known as the dark angel, ahriman, asmodeus, belial, diabolus, the devil.

これ、全部、日本語でいう「悪魔」を表現する単語です。こんなにいろいろあるのか!、、、と絶望している場合じゃない。悪魔、というのは徒党を組んだ軍団なので、諸説ありますが、一説には下っ端まで含めると何千もの単位でいるらしい。なんでそんなにいるのか、というと、もともと多神教だった地域がキリスト教に飲み込まれたときに、土着の神様がどんどん「悪魔の一種だった」として追いやられてしまったから、、、というのが教科書的な説明ですが、それはともかく、上記の呼称、それぞれがどう違うのか、簡単に解説しますね。

satan: サタン、です。悪魔の中でもトップリーダーのクラス。わかりやすく言うと、新約聖書に出てくる、「砂漠で修業中のイエスをいろいろと邪魔してきたやつ」が、サタンとされています。

The Dark Angel: 悪魔の別称です。悪魔はもともとは天使だったのが、神によって追放されたので、こういう呼ばれ方もする。詳しくは、ぜひ、ミルトンの『失楽園』などを読んでみてください。

Ahriman:アーリマン。ゾロアスター教やバラモン教に出てくる神様です。キリスト教では、古代の他教の神様がなんでもかんでも「悪魔の一種だった」と位置付けられてしまっていた、ひとつの証左。

asmodeus: アスモデウス。ソロモン王に封印された悪魔の一人。肉欲をつかさどる悪魔と言われています。「ソロモン王がたくさんの悪魔を封印して使いこなし云々」の話は、水木しげる先生の悪魔学の入門書を読むと詳しく教えてくれます。ちなみにアニメ『悪魔くん』のモトネタも、ソロモン王伝説です。

belial:ベリアル。これもソロモン王関連ですが、「ソロモン王の封印からうまくのがれた一人」ということで、ちょっと別格扱い。解釈によってはアンチキリストと同等のオオモノとされることも。

deabolus:ディアボロス。古代ギリシャ語経由の呼称です。個人的感想ですが、英語でsatanとかdevilとかいうよりも、ギリシャ語やラテン語経由の呼称のほうが、本来の悪魔の風格があって呼び名としてシックリくる感じがします。

devil:いわゆる「悪魔」の総称。日本人が「悪魔」と言いたいときに、迷ったら、とりあえず、これを使いましょうか。

と、まぁ、「日本は多神教で八百万の神がいるが、西欧は一神教だからそんなにキャラクターはいない」と言っている人たちに対しては、「いやいや、西欧も悪魔の話をし始めると、途端に、生半可な多神教も真っ青なほど多種多彩・複雑化するぞ」と私はよく説明するのですが、そのお話が、今回はできて、悪魔学大好きな(!)私としては嬉しいかぎりでした。

一神教と多神教とは単純に対立しているわけではなく、双方は複雑に絡み合っている、というひとつの証左を、英語学習の中で感じていただければ、なかなか面白いのではないでしょうか。・・・と、いう、お話でした!

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