言語マニアとしての、私の願いを、いつかかなえてほしい。ロマンスの神様に、ではなく、ロマンス諸語の神様に、です。ロマンス諸語はやはり格好がよいし、先入見があるかもしれませんが、おしゃれに感じる。使いこなしたい!
このブログで何度か語ってきた通り、生涯にひとつでも多くの言語をマスターしてから死にたい、という夢を持つ私。いろいろ手を出してきましたが、ここ一年を見る限り、ロマンス諸語と、かなり相性が、良いみたい。私が考えている「ロマンス諸語」というのは、スペイン語・ポルトガル語・フランス語・イタリア語のことです(ほかにルーマニア語等も含まれまずが、さすがにそこまでは手が伸ばせない・・・)。

歴史的な展開の図示は、上掲の感じ(オック語ってなんだろう、、、??)。難しく考えず、「ラテン語から分かれた言葉」と言ってしまえばわかりやすい。ラテン語とは、ほぼほぼ、「古代ローマ帝国の言葉」と考えていいわけなので、古代ローマ帝国が崩壊した後の子孫たちが、それぞれの国や地域で継承してきた言葉、ということになります。ただし、この話、もともとラテン語というキレイな言語があって、そこからいくつかの言語が分かれた、というわけではなく、もともと古代ローマ帝国の中でも地域によってぜんぜんちがう「ラテン語」を話していたという事情もあるので、必ずしもすっきりと整理できる話でもないのですが。
それは、ともかく。
ロマンス諸語を横断的に勉強していると、どうしても、その前段階に位置する、ラテン語にも興味が出てきます。というわけで、以下の一冊を手に取りました。ラテン語の語学テキストなどというものが、あっけなく、駅前の書店で手に入ってしまう現代日本の出版事情って、やっぱり、いまだに、凄いと思います、、!
本書を読んでみると、なにせ、著者自身が、「ラテン語はとびきり難しい言語で、修行八年と言われておる」的な意味のことを最初のほうに書いている。これを読んで、さっそく、「ラテン語をマスターしたい」という野望は、私としては、諦めました。あくまで、今、勉強中の、ロマンス諸語(フランス語、スペイン語、ポルトガル語、イタリア語)の補完の為の読書として、本書一冊を読み通す。
内容すべてを理解しようとはせず、ラテン語の概要を知るために一読するには、ちょうどよいテキストでした。まず、「こんなに暗記することが多いのか!」という驚愕が来る。なにせ、ラテン語というもの、動詞だけでなく、形容詞や、果ては名詞にまで、複雑な活用形があるのですから! 過去形と分詞と三人称単数くらいしか活用変化のない英語の世界が懐かしく感じる。。。
しかし、ラテン語の概要を掴むことで、他のロマンス諸語をやっている時に感じた、いろんな「ナゾ」のルーツが見えてきて、実に面白い!
接続法のナゾとか
スペイン語でいう「点過去と線過去」の区分のナゾとか
何より、ロマンス諸語にあるたくさんの単語の語源が、ラテン語の中にどんどん見つかるのは、スリリングなこと、この上ない経験でした。
西欧圏の人たちが、日本語と韓国語と中国語を平行で勉強しているあいまに、ふと、古代中国語の本を読むと、こんな感じを味わうのかもしれません。「ああ、こういうふうに、ぜんぶつながっていたのか!」と。
それにしても、気になる点は、本書の解説によると、「ラテン語は単語の活用が複雑な分、語順はいい加減で、英語の五文型(SVO云々とか)みたいに、きれいに整理ができない」ということ。語順がルーズである分、古代ローマの知識人は、凝りに凝った複雑な文体でドキュメントを描いていた、とか。それが本当だとしたら、ラテン語をマスターして、かつラテン語の本が読めるレベルに到達しようとすると、これは大変な道のりになりそうですね。
さすがに、そこには欲張らず、
勉強先を、現代のロマンス諸語に、戻すとします。