山岡洋一氏の著書『英単語のあぶない常識』の読後感にちょっと戸惑った話

昨日の投稿で、翻訳家、山岡洋一氏の著作を絶賛したばかりですが、同じ著者の別の本、『英単語のあぶない常識』を読んでいて、ちょっとした戸惑いの心境に陥ったので、そのことを今日は、書きます。

先に『英単語のあぶない常識』という本の結論だけを述べてしまうと、

・英和辞書というものは、英単語に適切な「訳語」をあてているものにすぎない

・「訳語」というのは、その英単語と類似している日本語の単語である。類似であって、一致ではない

・言語というものの性格上、ある英単語と、ある日本語単語とがピッタリ一致することは、ありえない。だから、辞書に載っている「訳語」は、英文解釈のための手がかりであって、正解ではない

・英単語の本当の意味を調べるには、「生きた英語」が実際に使われている場から、その英単語が使われているサンプルを大量にとってきて研究するしかない

・つまり、英和辞書は使うべきだが、英和辞書に書いてあることをあてはめるだけでは訳はできない。「辞書を信じるのは馬鹿者、かといって辞書を引かぬは大馬鹿者」というスタンスで、辞書とは付き合うべきである。

というところでしょうか。そしてこの本では、上記の理念に則って、「辞書を引くと include の訳は『含む』だが、それでは説明のつかない用法がある」とか、「辞書を引くとexpectの訳は『期待する』だが、それでは説明のつかない用法がある」とかいった話題が豊富に展開され、とても勉強になるのですが、、、

私が戸惑ったのは、この本に対する世評のほう。好意的なものの中に、かなり批判的なレビューもあるのです。つまり、「辞書には限界があるとは、何様のつもりだ」とか、「英語がある程度できる人間なら常識的に知っているincludeやexpectの用法について、何を偉そうにいまさら言っているのか」とか、かなり辛辣なものが複数ありまして。

でも、僕が読んだかぎりでは、この本の著者である山岡洋一氏は「辞書の限界」についての意見を言っているだけですし、「includeやexpectの用法」についても、少なくとも僕はためになる話と受け止めました。自分がそれなりに納得して読んでいた本が辛辣なレビューを食らっていると、なんだか自分が攻撃されているように感じてしまって、なんだか萎えます。

主観かもしれませんが、どうも、英語に関する本については、世のレビュアーに、かなり辛辣な口調になる人が多いような気がするのですが。そりゃ、書いてある知識が間違っている本はレビューで攻撃されるのは当然ですが、「この程度のわかりきった知識をいまさら並べているのは生意気だ」とか、「既存の辞書に喧嘩を売るとはなにごとだ」とか、「翻訳者がこんなテーマで本を出すとは何様だ」とかいった、なんだか怖いレビューをよく見かけて、萎えてしまいます。

というわけで、私の本日のレビューも、なんだか恐る恐る、になってしまいましたが、山岡洋一氏の『英単語のあぶない常識』、「私は」面白い本だとおもったのですが、プロの人たちから見るとどうなのでしょう、、、?

と、いう、不安と戸惑いの気持ちを、そのまま表明しておくことと、いたします。。。

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