こんなことがありました。
私「日本には耳なし芳一、という、有名なゴーストストーリーがあるぞ」
ネイティブ英語話者「どんな話なんだい? ぜひ、英語で話してオレを怖がらせてくれよ」
よかろう、とばかりに、怖がらせるための抑揚をつけて、語り始めた私。やってみれば、それなりに相手も引き込まれ始めた模様。
芳一が夜に一人で琵琶の練習をしているところ。
サムライの幽霊がやって来たところ。
「ご主人がお前の琵琶を聞きたいと言っておる。ついて参れ」という、サムライの言葉。
そしてサムライの幽霊が、彼の主人の屋敷まで、芳一の手を強引に引いて連れていくところを、おそろしげに、
The Samurai ghost dragged his hand…
と、語ったところ、
ネイティブ英語話者「なんてこった! そりゃ怖いな!」
私「え?」
ネイティブ英語話者「だって、そのサムライの幽霊は、芳一の手を引きちぎって、引きずって持っていっちゃったんだろ?」
なんのことかわからずに困惑する私。ですがすぐ気づく。ああ、そうか! 私の英語がおかしいんだ。
The Samurai ghost dragged him by his hand.
としないと、手だけを引きずっていっちゃったことになっちゃいますよね。
絶対、相手も、僕の英語の間違いだとわかってて言ってきたよね。いじわる。
というわけで、ノリノリで語り始めた英語版の芳一が、一瞬で終わっちゃった上に、
耳なし芳一じゃなく、腕なし芳一になっちゃった。。。