トワイライトゾーンで英語を学ぼう!第9回 : THE DUMMY

エピソードデータ

タイトル:THE DUMMY
エピソード番号:#98 (第3シーズン)
放送日:May 4, 1962
脚本:Rod Serling
私のお気に入り度:ベスト9

あらすじ

ジェリーは人気沸騰中の腹話術師。ウィリーは彼の使う人形。『ジェリー&ウィリー』という芸名で、今夜もクラブのショータイムを賑わしています。奔放自在なジェリーの腹話術の巧みさに、お客さんは大ウケ。クラブの経営も潤って、何の問題もないかのように見えました。ですが、一人、当のジェリーは浮かない顔。楽屋に引っ込んだ後、ジェリーは今日も、酒浸り。何か悩みがあるのかと、話を聞いてみると、彼が主張するには、人形のウィリーは実は生きていて、最近、だんだん言うことを聞かなくなってきているのだ、とか。確かに、ジェリーの手には、ウィリーにかみつかれたという歯痕が。そういえば今夜のショーの最後の場面、幕間に引き下がろうとしたジェリーの手に、ウィリーが「まだ帰りたくない」と噛みつくギャグシーンがあったのですが、ジェリーは、あれは腹話術のアドリブ芸などではなく、本当にウィリーが反乱を始めたのだ、と主張するのです。

評価

どうやら、ロッド・サーリングは、人形を扱ったホラーエピソードが得意らしい。トワイライトゾーンにも、さんざん、「人形」ネタの作品が登場してきます。ネタバレになってしまうので、どのエピソードとは明言はしませんが、このTHE DUMMY放送前のトワイライトゾーンシリーズ内でも、既に以下のようなアイデアが登場しておりました。

  • 人形が実は命を宿していた、のオチ
  • 人間だと思っていたものが人形だった、のオチ
  • 主人公が、自分は人間だと思い込んでいる人形だった、のオチ
  • そもそも、登場人物全員が人形だった、のオチ(w)

本作、THE DUMMY、オチのアイデアとしては、上記の次第もあり、特に目新しいものではありません(もっとも、ラストシーンをどう解釈するかによって、本作の意味合いはずいぶん変わる、そんな曖昧さが残る作品に仕上がっているので、一筋縄ではありませんが)。ただ本作は、トワイライトゾーンの「人形ホラー」系の集大成のようなところがあり、表現が洗練されつくしている。人形ウィリーの存在感といい、舞台となっている楽屋の薄暗さといい、とにかく雰囲気づくりが上手くて、ダントツで怖い。カメラワークの小技も冴えわたっている。まるでJホラーを彷彿とさせるような、「カメラの視界の外で何かが起こっていることを暗示させてビビラせる」フレーミングが、とても効果的に使われています。どういう小技かを、言葉で説明するのが難しいので、以下、手書きで汚く申し訳ございませんが、図示説明させていただきます。

↑こんなカメラワークが前半で頻発。後半になると、逆に、「またやるかな」と予感させておいて、今度は人形がまったく動かない、という、フェイントをしかけてくる(w)。と、気合を入れて図示までして説明してみましたが、ふと思い出したことが。これとおんなじようなカメラワークでのビビらせ技、プレステのゲーム『サイレントヒル』(確か第四作)でも頻発で使われていたな、、、。

ちなみに本作の悪玉(?)人形ウィリーは、本エピソードにおけるインパクトの強烈さのせいで、トワイライトゾーンの名キャラとしてアメリカの人々の記憶に深いトラウマを宿したらしい。アメリカのディズニーワールドにある、トワイライトゾーンのアトラクション(日本のディズニーリゾートでは『タワー・オブ・テラー』という名前に変わっていますが)内には、この人形がさりげなく飾ってあるとか。見に行きたい、、、!

作中の気になる英語表現

本作のタイトルは、The Dummy。上述の通り、トワイライトゾーンには他にも人形がモチーフになったエピソードが多々ありますが、その代表作の一つが、The living doll。「あれ?人形ホラーなのに、dollとつけるときと、dummyとつけるときがあるの?」と気になった人は、まさに、このブログの読者として望ましい方です! ええ、そうです。管理人たる私は、めちゃくちゃ気になり、この問題についてかなり細かく調べておりましたw。

というわけで、今回は、「人形」を表す英語表現について掘り下げてみましょう。というのも、もしあなたが、生きている人形に襲われているときに、通りがかりのイングリッシュネイティブスピーカーに助けを求めるとして、そこで自分で襲っているものがdollなのかdummyなのかpuppetなのかmuppetなのかがパッと出てこないと、取り返しのつかないことになるかもしれませんから!

  • Doll : 「人形を英語で言うと?」と聞かれたとして、普通にパッと思いつくのはこれでしょう。私もてっきり、最初にdollという言葉がまずあって、この中から、puppetとかdummyとかの言葉が分裂していったのだ、と、漠然と思っておりました。ところがどうも違うらしい。Dollというのは、もともとは小さな女の子に対する愛称(特に、「ドロシー」という名前の子に付けられる、あだ名)であって、人形の意味になったのは近世から。いわゆるフランス人形のような、「女の子を模した、かわいらしい人形」がdollであって、かわいくない人形や、愛玩用でない人形には、あまりしっくりこないらしい。ではそういうのはどう呼ぶかというと、
  • Puppet : もともとはこちら。私個人は、操り人形のこと、というイメージでとらえていたのですが、指人形なんかもpuppetで呼ばれます。考えてみれば、ヨーロッパの中世を舞台にしたドラマや映画では、小さなpuppetによる人形劇が庶民の娯楽として、よく出てきますよね。もともとはpuppetが圧倒多数で、子供が抱っこをしたりおままごとに使ったりする愛玩用のdollのほうが、比較的新しい奴らだ、と言われると、なんとなく、確かに、イメージにもあってきます。
  • Dummy : これは、寸劇用でも愛玩用でもなく、実用のための「人形」ですね。交通事故実験で使われる人形も、デパートのマネキン人形も、dummy となります。また、腹話術師が使う人形もdummy と呼ばれるそうで、本エピソードのタイトルはこちらから来ているのですね。ちなみに、「腹話術師」の英語は、ventriloquist。見るからにラテン語からきたと思しき、なかなか格好いい言葉、、!
  • Muppet :  これは、おまけながら、たまに聞く「マペット」というのはなんだろう、という話ですが、これは、セサミストリートで有名なジム・ヘンソンさんが自分の劇団の人形を呼ぶときにつけた造語です。よって、厳密には、ジム・ヘンソンさんの監修する映画作品にしかマペットは出てこないはずですが、セサミストリートがここまで有名な以上、ああいう「モフモフしたかわいらしいパペット」を表す言葉として、今後定着しちゃうのかもしれません。

という次第で、人間を襲ってくるのはdollかdummyの可能性が高いです。puppetが襲ってくる、というのは、ちっちゃい連中なのであんまりイメージが湧きませんが、『ジョジョの奇妙な冒険』に、まさに、人を襲う操り人形のスタンドというのが出てきたので、そういうことも、なくもない。Muppetが人を襲う、というのだけは、かなり考えにくいw。ですが、なんでもかんでもをネタにしたなが進むホラー文化の歴史、いずれは、マペットが人を襲うという路線での名作が、出てくることもあるのかもしれません、、!

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