『悪魔のいけにえ』で英語を学ぼう!

タイトル: 悪魔のいけにえ
監督: トビー・フーパー
製作年:1974年
オススメ度:★★★★★(最高5点)

作った監督自身も二度とこれを超えられなかった衝撃のデビュー作にして、20世紀アメリカンホラーの奇跡の至宝!

作品解説

誰だったかは失念したのですが、日本の映画批評家が、本作品を指して、「トビー・フーパー監督の一世一代のまぐれあたり」などと、失礼なことを言っていたのを覚えております。失礼な!確かに、トビー・フーパー監督はこの後、『ファンハウス』とか『マングラー』とか微妙なものもいろいろ生み出しましたが、『スペースバンパイア』や『ポルターガイスト』のような名作(怪作、、、?)もいろいろ生み出したぞ。

ただし、デビュー作を超えられなかった、という意見には私も賛成。この『悪魔のいけにえ』は、即興音楽バンドの生涯最高のライブ映像みたいなもので、ガッツと気概とセンスに溢れた若手駆け出しの映画作家が勢いで作ったエネルギーが全体に充溢しています。
とにかく怖い、有無を言わせぬ、ど迫力。ひとつの奇跡と呼んでもよい一作。ロック界でいえば、カート・コバーンの『ネバーマインド』のようなもの、いきなりデビュー作にすべてのパワーが注ぎ込まれてしまい、作り手本人のその後の活動がむしろ衰えていくいっぽうに見えてしまう奇怪な事態がここで起こっているのです。

そんなトビー・フーパー監督も、2017年に亡くなってしまいました。

ロメロ去り、クレイブン去り、フーパー去りで、アメリカのホラー映画界もずいぶん寂しくなりました。

あらすじ

ティーンエイジャーの一団が、テキサス州の田舎をドライブ旅行中に、一軒の古い屋敷を見つける。「ガソリンが足りなくなりそうだから、分けてもらおうかな」と、ドアをノックしてみたら、変なマスクとエプロンをつけた大男が出てきて、なんのセリフも前触れもなくティーンエイジャーのうちの一人をハンマーで撲殺。その後も順調に彼らは大男の餌食となり、最後に残ったヒロインは、チェーンソーをもってどこまでもどこまでも追いかけてくる大男から、一晩中、逃げ続けることに。

レビュー

あらすじは、もう、上記の通り。セリフも、音楽も、特殊効果も最小限で、後半はひたすら、ヒロインの逃げ惑う「キャー」という悲鳴と、チェーンソーの「ブンブンバリバリ」という音だけで構成される。

なんという低予算!

最小限のアイデア!

画質も音響も悪いので、学生映画みたいに見える。だが、これがめちゃくちゃ怖い!

偶然にも、最近流行したフェイクドキュメンタリーを先取りしているようにすら見えてしまいます。

シンプルさが生み出した迫力。これこそ、映画の作り方としてはトコトン正しいんじゃないでしょうか!? そういえば、この映画が作られているのと同時代に、フランスやイタリアでは、ゴダールやらアントニオーニやらといった偉大な巨匠たちが、「できるだけセリフも音楽も廃し、登場人物も舞台もとことん制限した」アートでオシャレな映画を目指していたわけです。そんな時代に、アメリカテキサスの若者がホラーというジャンルから一種の境地にいきなり辿りついていたと思うと、なんだか痛快です。

そしてこの映画のいいところは、

ラストに、ちゃんと、ヒロインが生き残ること!

最近はなにかと「全滅オチ」が多いモダンホラー界で、「なんとか一人は生き延びた」オチは実に清々しい。ホラー映画とはいえ、やはり、希望がなくちゃ!

また、ラストの展開で、個人的にツボなのが、大男にレンチを投げつけてヒロインの逃げる時間を稼いでくれた、まったくの通りがかりのオッサン。セリフもない一瞬の登場人物ですが、彼のおかげでヒロインは助かったところが多分にあります。「通行人」程度の役回りのオッサンがホラー映画史に残るファインプレーを記録したという点でも、なんだかいちいち、展開が非凡な名作が、本作なのでした。

でも、この文章を書いているうちに心配になってきた。あのレンチ投げオッサン、まさかあのあと、怒り狂った大男に追いつかれて惨殺されたりしてないよね、、、?

本作から英語を学ぼう!

極端にセリフが少なく、比較的セリフがある前半は正直テンポがだるくてかったるい(!)本作、セリフからの引用が難しい。というわけで、本作に登場するいくつかのシーンを「英語で表現するならどうなるか」という観点からいくつか英語表現を作ってみました(ネイティブチェック済)。テキサス州の田舎でチェーンソーを持った殺人鬼に襲撃されたとき、警察に電話をして状況を説明するのに、以下の表現がきっと役に立つことでしょう。

▼便利表現▼

  • 「内臓をえぐりだす」=disembowel
  • 「レンチを投げつける」= throw a wrench
  • 「食肉加工用のフック」=meat hook
  • 「人間の皮膚」=human skin
  • 「(鈍器などで)ぶん殴る」=batter

▼練習問題:上記の便利表現を使って英訳してみましょう!▼

  • 暗闇から大男が飛び出してきて、チェーンソーで彼女の兄の内臓をえぐりだしてしまいました
  • 男がその狂人にレンチを投げつけ、転倒させました
  • 彼女は捕らえられ、肉加工用のフックにつるされてしまいました
  • 彼のマスクは人間の皮膚で作られているように見えました
  • マスクをつけた大男がハンマーで彼女の兄をぶん殴りました

▼練習問題解答例▼

  • The big guy lurched out from the darkness and disemboweled her brother with a chain saw.
  •  A man threw a wrench at the madman and knocked him down.
  • She was captured and hung on a meat hook.
  • His mask seems to be made from human skin.
  • A big guy wearing a mask battered her brother over the head with a lump hammer.

それでは、また別のホラー映画紹介記事にて、お会いしましょう!

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