Everybody Lies 書評_2:ビッグデータがフロイト先生を越える時

さて、”Everybody Lies“の読後感想について、である。

主にGoogle検索に入ってくる
検索キーワードのトレンド分析から、
世界の人々の様々な性向・傾向を炙り出す、、、というのが
本書で行われているデータ分析だが、

内容としては、かなりエグい。

ユ二ークな分析結果が続々出てくるが、面白いのは面白いのだが、
いっぽうで、「人間ってやつは、、、」と、暗澹たる気持ちになり、
そういう意味で、背筋がゾクゾクとしてしまう。人間ってこわいのかも。

著者が目をつけたのは、
現代において、人々は
「Google検索を相手にすると、なぜか露骨な本音を書きこむ」ということ。

本書において発掘されるのも、
無意味に「I hate my boss(上司が嫌い)」とGoogle検索に打ち込む人々の姿であり、
無意味に「Is my son genius?(うちの子って天才かしら?)」と検索に打ち込む人々の姿であり、
オバマ大統領がテレビで演説している時間帯になると、
なぜか(きっと大統領の格調の高い演説を横目で見ながら)、
「黒人をネタにした笑えるジョーク」を検索する。
そんな「教養ある市民階級」のマジョリティーの姿である。

みんな、いったい何を検索するつもりで、
そんなキーワードを入れているんだか。。。

でも、おそろしいことに、確かに、自分にも、
そういう「他人には見られたくない」一面を
露骨に検索エンジンには入力しまっているケース、
いろいろ、思い当たる。。。

というわけで、
しょうもない検索、
人種差別むき出しの検索、
殺意と反社会性に満ちた検索などが、
いろいろと発掘され、分析のまな板に載せられるわけだが、

とりわけ面白くて、とりわけエグいのが、
性に関するキーワードを分析した章だった。
品行方正な市民の皆様が、
自宅のPCで、Google検索を相手にしているときは(そして多分、よほど暇な時は)、
いったい何を検索しているんだ!?と戸惑うほどの、
凄まじい検索キーワードがトレンドに上がってくる。

とてもとても、このブログに僕自身も打ち込めないような
エグいキーワードばかり。
興味がある人はぜひ、この書籍のほうを読んでみてほしい。

本書の著者は精神分析への知見も一通りあるようで、
ビッグデータから抽出してきたキーワードをもとに、
フロイトの精神分析理論の通説のうち、棄却されるものと、保持されるものの
よりわけを行う、という面白いことをやっている。

結論だけ言うと、いわゆるフロイトの「夢判断」の理論については、
ビッグデータの検証と比較すると、どうもフロイト理論の分は悪い。
だが、いわゆるエディプスコンプレックス、エレクトラコンプレックスの話については、
これはビッグデータ的にも、なるほど、たしかに、人間のそんな傾向が見えてくる。。。

(「フロイトやニーチェが現代に生きていたら大悦びしてデータアナリストになっていたろう」
 という意味のことを著者は言っている。そうかもしれない)

英語の勉強、という面でも、
本書は僕の語彙力を深める役に、おおいに、立ってくれた。
日本語でいう「○○フェチ」とか「○○コン野郎」とかに相当する
多種多様の(きわどい)英語表現と、
本書のおかけで知り合うことができたわけだから。

・・・使いどころのない英語語彙ばかりだけれども。。。

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